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外反母趾 【監修:うさみ整形外科 院長 宇佐見則夫先生】

足の親指のつけ根あたりに「強い痛みを感じる」「親指が小指方向に大きく曲がっている」「足が痛くて歩けない」という人は、足の関節が変形する「外反母趾(がいはんぼし)」の可能性があります。専門医から適切な治療を受ければ、痛みをコントロールでき、毎日の生活がぐんと楽になります。

Chapter1

外反母趾ってどんな病気?

人の足指は、足の甲から指先に向かって伸びる中足骨、足のつけ根から指先に伸びる基節骨が関節でつながり、まっすぐに伸びています。外反母趾の母趾とは足の親指のことで、足の親指がきつい靴などで圧迫を受け、小指方向に曲がってしまった状態を指します。

ハイヒールのようにつま先が狭く、かかとの高い靴を履くと、この関節には強い圧力がかかります。実はこのとき、もともと足の骨にある自然なアーチも圧迫を受けています。アーチが崩れてしまうと、結果として、足指が根元から曲がったような状態になります。これが親指側で起こるのが外反母趾です。

外反母趾は、指が曲がった角度が重症か軽症かを診断する一つの目安とされますが、大きく曲がっていても、痛くなければ治療の必要はありません。逆に、「少し曲がっているかな」というぐらいでも、「靴を履くとあたる」「痛くて歩けない」という症状があるなら治療が必要です。

Chapter2

どんな人がなりやすいの?

外反母趾は一般的に「合わない靴が原因」だと思われがちです。しかし、毎日同じハイヒールを履いている人でも外反母趾になる人、ならない人、なっても痛みが出る人、出ない人と個人差があります。逆にハイヒールをほとんど履かない人でも痛みが出る人もいます。これは、靴による圧力よりも体質的な要因が大きいからだと考えられています。血縁者の中に「外反母趾が多い」という人は、ほかの人より外反母趾になるリスクが高いので注意が必要です。
男性でも外反母趾になる人はいます。しかし、男性が履く靴と女性が履く靴には大きな違いがあるため、痛みを感じて受診する人は、圧倒的に女性が多いのが現状です。発症年齢については諸説ありますが、外来を受診するのが一番多いのは40~60代。しかし、患者さんの中には小学生も80代の高齢者もいます。手術を含め、治療に「早すぎる、遅すぎる」ということはありません。

Chapter3

診断の流れ

診察は一般的な整形外科でも受けられますが、外反母趾に詳しい専門医がいる医療機関を受診するのがベストです。「日本足の外科学会」のホームページなどを参考に医療機関を探してみましょう。
まずは、痛みが出る場所や皮膚の状態(タコや擦れ傷の有無)など、足の状況をチェックし、母趾がどのくらい曲がっているかを調べます。足の内側縦アーチや外側縦アーチ、横アーチの状態も調べます。
次に、X線で骨の状態を調べます。通常は立ってはだしで撮影をしますが、場合によっては靴を履いて撮影することもあります。また、より詳しく骨の状態を調べるために、MRIやCTなどの検査が行われることもあります。

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