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わたしの介護体験記(全2回連載) 知らなかった、頼れる身近なサービス

Mさん 50代女性
(営業職)

わたしの介護体験記(1/2)

私が初めて「介護」と向き合ったのは2014年の秋でした。母は当時79歳。妹と私はそれぞれ実家の近くに住んでおり、母は一人暮らしをしていました。年齢を重ねていくうちに体の自由がきかなくなり、家事が疎かになってきた母が「○○さんが言ってたんだけど、何百円か払えば週に何回かお掃除に来てくれるのがあるんだって」と言い出したのです。掃除ができないことを気に病んでいたのは気付いていましたが、妹も私も自分のこと、家族のことで手一杯、買い物の手伝いや庭の草むしりくらいはできても、実家の家事までできる状況ではありませんでした。もし業者に頼んだらいくらくらいかかるのだろうかと調べ始めた矢先だったので、何百円レベルで、しかも週に何度も来てくれるとは思えませんでした。母が何か勘違いをしているに違いない。親の老いを認めたくないといった思いもあり、生返事をしてやりすごしておりました。


そんなある日、買い物の途中で「ここに寄りたいんだけど」と言われたのが市のシニアサポートセンター(地域包括支援センター)でした。「○○さんがここでやってもらったって言ってたから」と。そこにセンターがあるのは知っていましたが、何をしている所なのか全く知らないまま、心の準備もせずにドアを開けることになりました。

対応してくださった方に、母は体の自由がきかなくなり、家事が疎かになっていること、近所の方にここにお願いすると掃除に来てくれると聞いたことなどを話しました。

そこで「こちらで行うのは家事をする人を派遣するのではなく、ご自身でできるようにサポートしていくことなんですよ」と言われ、介護保険の説明をしていただきました。

そして、問診票をもとに現在の状況(体の面、心の面、生活環境など)の簡単な聞き取りを行い、話し合った結果介護認定の申請をすることになりました。センターで申請書をもらい、かかりつけの病院や主治医名といった必要事項を記入しました。病院への連絡や確認は市が行うため、家族の負担はありませんが、訪問調査があります。調査を受ける際、私が同席するつもりでしたが、平日に限られていたため、妹が引き受けてくれました。この時になってもまだ、「介護保険を使うのはよほど具合が悪い人だから、母は対象外と言われるのではないか?」と思っていました。

介護認定は重い順に要介護5,4,3,2,1要支援2,1と分けられていますが、結果は要支援の1。一番軽いとはいえ、介護保険を使える状態なのかとショックを受けました。


とは言え認定された以上は介護サービスを受けるために動かなければなりません。

どういったサービスをどれくらい受けられるのか?ということですが、介護の度合いによって使えるサービスの量が異なります。例えば軽い人ではAというサービスを1回しか受けられないが、重い人ではAを2回受けたり、AとBを1回ずつ受けられる、ということです。ケアマネージャーさんと相談し、介護を受ける本人、家族の希望を聞き取ってケアプランを作成いただくことになります。その中で訪問入浴や通所リハビリ、ショートステイといったサービスを組み合わせることになります。母は生活援助(訪問介護サービス)を受けることになり、自宅に週2回、30分ほどヘルパーさんに来ていただくことになりました。お願いしている業者さんではヘルパーさんは1人だけの固定ではなく、3人くらいが交代で来るといった感じです。仕事が終わると何をしたか、母の具合はどうだったかなど毎回報告書を記入しきちんとファイルして帰って行きます。

後で知ったのですが、同居家族がいる場合、この生活援助を受けるのは難しいことがあるそうです。「昼は仕事をしていて不在」という理由では受けられないようで、別居で良かった……というのが正直な感想です。


介護認定は1回で終わりではなく、更新があります。

2年目は要介護1という2段階重い結果になりました。ただその分、使えるサービスの量が増え、週2回のヘルパーさん以外に、週に1回リハビリ型デイサービスに通うことになりました。ごく軽い筋トレといったところで、自宅までの送迎もしてくれます。これ以上筋肉が衰えないように運動するのが目的だそうで、母は週に1回、3時間のコースを利用しています。一緒に通っているお仲間と話をするのも楽しいようです。

つい先日2回目の更新がありましたが、結果は要介護1で変化なし。ケアプランを作成した際の母の希望は「周囲に迷惑をかけるが、できる限り家で過ごしたい」、家族の希望は「手助けはもちろんするが、近所まで買い物に行けるようになってほしい」ということで、これまで通り週に2回のヘルパーさんで生活援助、週に1回のリハビリで体力低下予防というプランを組んでいただきました。