カラダとココロの健康アドバイス

ストレートネックの予防に効果的なおうちケア

近年、増加しているといわれる“ストレートネック”。放っておくと首周りの痛みやコリだけでなく、頭痛や手のしびれなど体全体の不調にもつながるといわれています。普段の生活の中に正しい姿勢や簡単なストレッチを取り入れて、ストレートネックを予防しましょう。

Point1

ストレートネックとは? その原因は?

人間の頭の重さは成人で体重の約10%といわれていて、体重が50kgであれば重さは約5kgにもなります。そんな重い頭を支えているのが頸椎(けいつい)と呼ばれる7個の首の骨。頸椎は本来ゆるやかな湾曲を保っているのですが、この湾曲が少なくなり、まっすぐに固まって棒のようになってしまった状態をストレートネックといいます。

ストレートネックになるのは、うつむいた姿勢を長時間取り続けることが大きな原因。スマートフォンやパソコンの使い過ぎ以外にも、前かがみの姿勢での書きものや読書、家事仕事など無意識のうちに同じ姿勢を取り続けることも原因となります。
※ストレートネックには、頭部が前突(ぜんとつ)した状態で固まった「テキストネック」と、後退した状態で固まった「ミリタリーネック」の2タイプがありますが、今回取り上げるのは前者になります。

Point2

ストレートネックかどうかをチェックしよう

自分がストレートネックかどうか、次のような方法やチェックリストで確認してみましょう。

壁に沿って立つ方法

壁に背中を向けて立ち、かかとから順にお尻、背中、後頭部の順に壁に付けていきます。このとき、後頭部が壁に付くかどうかがポイント。正常であれば背中と腰と後頭部の3点が自然に壁に付きますが、背中と腰を付けると後頭部が壁から離れ、意識しないと付かない、あるいは付けようとしてもできない方はストレートネックになっている可能性があります。

日常生活でのチェックリスト

1つでもあてはまる項目があれば、ストレートネックになっているかもしれません。

・人から姿勢の悪さを指摘されたことがある

・まっすぐ立ったとき、頭と首が前に出るのを自覚している

・1日にトータルで2時間以上スマートフォンを操作、あるいは6時間以上パソコン作業をしている

・ゲームに熱中して、気がつくと数時間たっていることがある

・高い枕を使わないと眠れない

・頭痛やめまい、手や腕のしびれを感じることがある

Point3

予防のポイントは姿勢・小休止・ストレッチ

ストレートネックの大きな原因とされるのが、スマートフォンやパソコンの長時間の利用です。ただ、頭では分かっていても、操作する時間が減らせないという方も多いのでは? そんな方にお勧めなのが、正しい姿勢を心がける、こまめな小休止をとる、そして簡単なストレッチを行うこと。普段の生活の中で意識することでストレートネックの予防につなげることができます。

①正しい姿勢を習慣づける

正しい姿勢を意識し、習慣づけましょう。大きめの鏡で自分の立ち姿をチェックして、前かがみや反らし過ぎにならないように気をつけて。また、長時間座ることが多い方は、机や椅子、モニターなどの高さを調整して正しい姿勢になる環境を整えることが大切です。

②こまめに小休止を入れる

長時間同じ姿勢を取り続けると、体に大きな負担がかかります。パソコンの作業などで30分間座り続けていたら疲れを感じていなくても立ち上がる、もしくは首や背筋を伸ばして視線を遠くにしてみましょう。「集中するあまり、つい時間を忘れてしまう」という方は、スマートフォンのタイマー機能などを利用してリマインドをするのも効果的です。

③簡単なストレッチを行う

小休止の際、簡単なストレッチをすればさらに効果的です。ただし、ストレッチの推奨時間は長くても1分以内。力を入れ過ぎたり、長時間やり過ぎたりしないように気をつけて。少しでも違和感や痛みがあったら無理をせずに中止してください。

Point4

眠る姿勢や環境にも気をつけて

姿勢やストレッチ以外に、気をつけたいのが枕や布団などの寝具選び。就寝中の寝返りはストレートネックを予防するためにも大切な動作です。きちんと寝返りが打てる十分な広さが確保できる大きさの寝具を選びましょう。寝返りが打ちやすいように、マットや布団は硬めのものを、掛け布団は軽めのものがお勧めです。また、1人分の広さの寝具で2人以上(ペット含む)が寝ると睡眠が浅くなりやすいので、できれば避けた方がよいでしょう。

ストレートネックはその名称から首だけの問題と考えがちですが、実は体全体に影響する問題であり、重症化すると脳や脊髄に深刻なダメージ・後遺症が残ってしまうこともあるので要注意です。ただし、改善の実感を伴わないストレッチや自己流のマッサージはかえって症状の悪化につながりかねないので禁物。早めに信頼できる医師や療術師などに相談してみてください。

監修

村田雅史 Muramasa骨格矯正センター代表
14歳から手技療法のアマチュア施術活動を開始。オーストラリア州立マードック大学カイロプラクティック学科卒業。WHO国際基準カイロプラクター学位取得。東京御茶ノ水を中心に東京・大阪・名古屋・三重で施術活動を行っている。猫背・ストレートネック者向けストレッチ書籍を監修。

http://ochanomizu-seitai.tokyo/straightneck/