カラダとココロの健康アドバイス

手のツボ押しで、リラックス&リフレッシュ!

おうちやオフィスで、知らないうちに寒さで体が縮こまっていませんか?
日照時間が短いこの季節は、気分も沈みがち。気軽にできる手のツボ押しで、冬の体をリラックス&リフレッシュしてあげましょう。

Introduction

重要なツボが集まる「手」

古代中国が発祥とされ、東洋医学の思想から生まれたツボ。現在ではWHO(世界保健機関)でもその効果が認められ、2006年にはツボの位置や数に関して世界基準が確立されました。東洋医学では、私たちの体に「経絡(けいらく)」というエネルギーの通り道があると考えられています。体中を巡る経絡にはいくつものルートがあり、さまざまな臓器とつながっているのですが、この経絡の要所要所に点在しているのがツボ。全身に361※あるとされ、手のひらや甲、そして手首にも重要なツボがたくさん集まっています。

※2006年開催「経穴部位国際標準化公式会議」による

【各経絡】

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Point1

ツボ押しのポイントは強さと時間と深呼吸

まず自分のツボがどこにあるかを確認しましょう。ツボの位置はだいたい決まっていますが、人によって多少の差異があります。また、その時々の体の状態で微妙に位置が変わることも……。自分で押してみて「痛気持ちいい」と感じるポイントを探してみましょう。ツボを押すときは強い力をかけたり、長く押し続けたりするのはNG。リラックスしたいときは軽めに、リフレッシュしたいときはやや強めに押すようにしましょう。

①時間と呼吸

1つのツボにつき10秒押して離す、を3セットが目安です。押す際には呼吸にも気をつけ、息を吐きながら押して、息を吸いながら力を抜く要領で。深呼吸に合わせるようにすると、コツがつかみやすいかも。

②使う指

押すツボと反対側の親指の腹をツボに当てるように使います。爪が長くて押しにくいという方は、人さし指を折り曲げて第2関節を使ってみてください。
なお、ツボは“押す”以外にも、指でつまんで軽くもんだり、さすったりしてもOKです。とりわけ寝る直前は交感神経を刺激しないよう、やさしくなでたりさすったりするとよりリラックスできます。

Point2

緊張をほぐし、気持ちを整える5つのツボ

リラックス&リフレッシュにつながる主なツボをご紹介します。

中衝(ちゅうしょう)

心臓やリンパ管などにつながる「心包経(しんぽうけい)」と呼ばれる経絡にあるツボ。人さし指で支えながら、親指の腹などで押します。やさしく押せばリラックスでき、少し強く刺激すると眠気覚ましにも。

労宮(ろうきゅう)

手を握ったとき、中指の先が当たる位置にあり、自律神経を整え、緊張をほぐす働きがあります。少し強めに押してあげると効果的です。

合谷(ごうこく)

「大腸経(だいちょうけい)」という経絡にあるツボで、大腸につながっています。万能のツボともいわれ、押すと痛みを感じる方も多い箇所です。親指の腹をツボに当て、親指をのぞく4本の指を軽く握って手のひらを支え、押してあげましょう。目の疲れをリフレッシュしたいときにもオススメです。

商陽(しょうよう)

人さし指の爪の付け根(親指側)にあり、こちらのツボも「大腸経」という経絡にあります。中衝と同様、人さし指で支えると押しやすいでしょう。押す以外にも、つまむようにして少し強めにもんであげると、頭がすっきりリフレッシュできます。

内関(ないかん)

手首のシワから指3本(人さし指、中指、薬指)分ほど離れたところにあり、自律神経を整えるツボです。押すときはツボのある方の手のひらを自分に向け、親指をのぞく4本の指で手首を支えて親指の腹で押します。押す以外にも、人さし指と中指で下から上へやさしくさすってあげてもよいでしょう。

Point3

ハンドクリームを使うことで、よりリラックス

押し方や強さによって、気持ちをほぐしたり、しゃきっとしたりできる手のツボ押し。大きな動きを必要としないので、オフィスなどでも気軽に取り組めます。仕事や家事の途中で一段落したいときや、眠気覚ましにもぴったりです。寒さが厳しくなるこれからの季節には、ハンドクリームをつけて行うのもオススメです。おやすみ前に好きな香りのハンドクリームを使って、ツボをやさしく押したりさすったりしてあげると、リラックス度が上がって心地よく眠ることができそう。ぜひ試してみてください。

監修

江ノ上高之 北海道江別市にある「さくらの花整骨院」オーナー・院長
中学・高校と続けた柔道がきっかけで、国家資格である柔道整復師の資格を取得。整形外科・整骨院で経験を積み、2008年同整骨院を開業。「地域医療の窓口となる整骨院であること」を掲げ、東洋医学の考え方も取り入れ日々治療に邁進している。趣味はクルーズなど旅をすること。