カラダとココロの健康アドバイス

心と身体をリフレッシュさせる涙活\rui-katsu®

最近、涙を流していますか?
涙にはいろいろな役割があり、その一つが心のデトックス効果。悲しいときや感動したときなどに、思いっきり泣いたら「何だか気持ちがスッキリした!」という経験を持つ方もいるのでは?
前向きに泣くことで、心と身体をリフレッシュさせる「涙活」をご紹介します。

Introduction


周りとのコミュニケーションが複雑になっている現代社会。モヤモヤすることがあっても感情的にならないよう、気持ちをセーブする場面が増えているのではないでしょうか。しかし感情の抑え過ぎはストレスにつながり、心身に大きな負荷を与えてしまいます。時には自分の気持ちに素直になって感情を外に出すことも大切なこと。そこでオススメなのが「涙活」です。

Point1

涙が出るしくみと種類

涙は目尻側にある涙腺から分泌され、目頭側の涙点(るいてん)から鼻涙管(びるいかん)を通って鼻や口の方に流れていきます。泣いたときに出てくる鼻水は、鼻涙管を通った涙なのです。
涙は目の表面を乾燥から守って酸素を供給したり、目にゴミが入ったときに洗い流すなどいくつかの働きを持っています。これらの他に感情が高まったときに流れる涙があり、人間だけが流す「情動の涙」といわれています。涙活に関係するのは、この涙です。

【各経絡】

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Point2

情動の涙はリラックスへのスイッチ

自律神経は、ストレスを受けると交感神経が優位になり、リラックスすると副交感神経が優位になります。情動の涙には、自律神経を交感神経から副交感神経へと切り替える働きがあって、ストレスを緩和したり、疲労回復につなげたりするとされています。号泣した後、スッキリするのはこういう理由からなのです。
東邦大学名誉教授で、セロトニン研究に長年携わる有田秀穂氏によれば、情動の涙で号泣することはストレスの解消だけでなく、心の混乱や怒りがおさまり、敵意も改善されることが研究で明らかになっているとのこと。思い切り泣くことは、私たちの心身に良い影響をもたらすようです。

【各経絡】

Point3

情動の涙を流すコツ

とはいえ、「さあ、泣きましょう」と言われてもなかなか難しいもの。意識的に泣くためのコツをご紹介します。

小出しに泣くより、まとめて号泣する

ストレス発散に効果的なのは、少しずつ涙を流すのではなく思いっきり泣くこと。会社の人間関係や仕事などでストレスがたまりやすい方は、週末にまとめて泣くのがオススメです。泣く時間を決める、好きな飲み物やお気に入りのアイテムで場所を整えるなど、泣くための環境をつくって習慣化していくとよいでしょう。

自分の「泣きツボ」を見つける

「動物ものを見ると泣けてくる」とか「アスリートが頑張っている姿に自然に涙が出る」など、泣きのツボは人それぞれ。動物や人、起こっている出来事に自分の経験が重なって感情が揺さぶられ、涙が流れることにつながります。「泣く」をキーワードに、親子愛や友情もの、ドキュメンタリー、応援している推しが頑張っている様子などさまざまなジャンルから、自分の泣きのツボを探してみてはいかがでしょうか?今まで気付かなかった新たな自分が発見できるかもしれません。

Point4

涙活でマイナスの感情をプラスに

涙活を続けているうちに、ポジティブな考え方ができるようになったという方もいます。例えば、会社や家庭で嫌なことがあって泣きたくなったとき、かつてはネガティブな感情にとらわれていたのが、逆に「泣くネタをもらった!」と気持ちが切り替わるようになったのだとか。
最近では、涙活を福利厚生の一環として取り入れる企業もあります。涙活に関するセミナーや、泣ける話や音楽をみんなで鑑賞して泣くイベントなども開催されているので、試してみてはいかがでしょう。

監修

寺井広樹 株式会社たきびファクトリー代表
自身が手掛けるイベントで出席者が泣くことで活力を得ていく様子に着目。1カ月に2~3分能動的に涙を流し心のデトックスを図る「涙活」を開始。自身も毎週末に1回、涙することを習慣としている。