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女性が気をつけたい病気 女性に多い病気や症状について解説します

過多月経 【監修:いとう医院院長 伊東宗毅先生】

過多月経とはその名の通り、経血が多すぎる症状のことです。この診断を受けるのは女性の7〜8%といわれていますが、これはあくまでも氷山の一角。実際はさらに多くの人が過多月経であり、決して珍しい病気ではありません。なぜなら、経血量は人と比べる機会がないため自己判断が難しく、自覚がない人もたくさんいるためです。少しでも心当たりがある人は、ためらわずに婦人科を受診してみましょう。

Chapter1

過多月経ってどんな病気?

過多月経とは「1度の月経で140ml以上の出血がある場合」といった定義があります。
しかし、これはあくまでも目安。経血量が80mlを超えると多くの人が貧血になりますし、もっと少なくても不調を感じる人もいます。 実際の経血量がそれほど多くなくても、生活に支障が出るような困りごとを抱えていれば、過多月経という診断になります。

Chapter2

どんな原因で過多月経になるの?

過多月経の原因としては、子宮やホルモンの異常が考えられます。
子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープといった子宮の病気によって出血量が増える場合、また、ホルモンの異常や血液の病気などによって出血が止まりにくくなる場合があります。
しかし、過多月経と診断された人の大半が、明確な原因はわからないのが現状です。
要因の一つとして考えられるのは、子宮内膜における止血作用がうまく働かないこと。
経血は剥がれ落ちた子宮内膜と子宮内腔からの出血が合わさったものですが、子宮内腔からの出血への止血作用が不十分な場合にも、過多月経になるのです。

Chapter3

どんな症状が出るの?

前述したように、過多月経の基準は人によってさまざまですが、目安としては、日中でも夜用ナプキンをつけていることなどが挙げられます。そのナプキンが2時間もすれば飽和状態になり漏れてしまう、といった場合は、過多月経の可能性が高いでしょう。タンポンと同時に夜用ナプキンを使っている人、生理用オムツを使っている人も、過多月経が疑われます。
こうした状況では、日常生活に支障が出ることも多くなります。出血によって服を汚してしまったり、人前で血が漏れることを怖れて不安になったりします。

また、レバーのような血の塊が出るというケースも要注意。500円玉よりも大きな血の塊が出るようなら過多月経が考えられますので、婦人科を受診しましょう。

原始卵胞の数の経年変化

Chapter4

検査と診断

問診では、月経周期や最終月経、出産経験といった一般的な婦人科の問診に加え、経血量などについてヒアリングします。
その後、経腟超音波検査によって、子宮に筋腫やポリープなどがないかを確かめます。人間ドックなどの婦人科検査では、経腹超音波検査のみだったり、内診のみだったりすることがあります。しかし、それでは子宮の異常を見逃すこともあるため、経腟での検査を受けるようにしてください(性交経験がない場合は痛みの少ないおしりからの検査もできます)。
さらに血液検査を行い、それらの結果によってホルモン検査やMRI、CTなどを行います。医師の判断によっては、すべての検査を併せて行うこともあります。

これらの検査によって、過多月経の原因となる子宮やホルモンの病気が見つかる場合があります。また、特定の病気や原因が見つからなくても、経血量の多さにより生活に支障が出ていれば過多月経と判断します。

検査と診断

診療の流れ

1.問診 2.経腟超音波検査・血液検査

Chapter5

どんな治療方法があるの? 費用の目安は?

検査によって子宮やホルモンなどの病気が見つかった場合は、その治療を行います。
ただし、Chapter2でもお伝えしたように、過多月経には原因がはっきりとしないケースも多くみられるため、その場合は経血量をコントロールする治療を行います。

具体的な治療法の一つは、ピルの服用。ピルによってホルモンを調整し、月経を止めたり経血量を減らしたりできます。 また、ミレーナと呼ばれる器具を子宮に入れる方法もあります。黄体ホルモンが持続的に放出される仕組みになっていて、子宮内膜を薄くして経血量を減らす効果を期待できます。

検査や治療の費用は、診療内容やクリニックによって変わります。
目安としては、初診料が1000円、超音波検査が1600円、血液検査が2000円ほど。子宮やホルモンの病気、貧血などがある場合は、それらの治療費が加算されます。

Chapter6

過多月経を起こさないための予防法は?

残念ながら、食事や運動など自分でできるような予防法はありません。
過多月経かもしれないと感じたら、早めに婦人科を受診することをお勧めします。 過多月経での受診は、勇気がいるという声をよく聞きます。症状を人と比べにくいため、「月経とはこんなものだろう」と思い込み、その結果、「これくらいで受診するのは、大げさかも」とちゅうちょする人も多いようです。

また、診察中の出血を心配して受診を先送りする人もいます。受診に最適なタイミングは月経直後ですが、困りごとがある場合は、月経中でも迷わず婦人科へ行きましょう。

さらに、過多月経に対する直接的なアプローチではありませんが、併発しがちな貧血を予防するためには、鉄分をしっかりととることをお勧めします。特に、鉄分の吸収率が高くなる月経中や月経直後には、葉物野菜や肉類など鉄分豊富な食材を積極的に取り入れましょう。

Chapter7

ドクターからのアドバイス

過多月経のときは多量の血液が失われるため、貧血を引き起こしやすくなります。 貧血とは、体内に酸素を巡らせる働きを持つ赤血球が不足した状態。例えるなら、酸素が薄い山頂で生活しているような状態です。もしも、駅の階段を上ったときに他の人よりも息切れが激しいようなら要注意。多くの場合は貧血になっています。 他にも、疲れやすさや集中力の低下、頭痛などの症状が出ることも。さらに悪化すると、爪がスプーン状に変形したり、脱毛したり、脚がムズムズして不眠になったりすることもあります。

過多月経は、子宮やホルモンの不調が出やすい40代以降に多い病気。そのため、こうした症状は、加齢や更年期などに起因するものだと誤解して見過ごされがちです。しかし貧血は、鉄剤を服用するなど適切な治療を行えば改善でき、そのことで確実に生活の質が向上します。

症状は少しずつ進行するので自覚しにくいですが、不調を感じるようならぜひ、気軽に婦人科を受診してください。

ドクターからのアドバイス

茅場町いとう医院
院長 伊東宗毅先生

日本産科婦人科学会産婦人科専門医。埼玉医科大学卒業後、埼玉医科大学総合医療センター産婦人科、武蔵野赤十字病院産婦人科、赤心堂病院産婦人科を経て、2013年9月茅場町いとう医院を開設。

副院長 伊東佳子先生

日本内科学会総合内科専門医。埼玉医科大学卒業後、埼玉医科大学総合医療センター第四内科(現:腎・高血圧内科、神経内科)に勤務。現在は、茅場町いとう医院と、つぶく医院(日本橋小網町)の兼務。

URL http://www.kayabacho-itoiin.jp/

                                  ※掲載内容は、2021年5月時点の情報です。