緩和ケア
2022年5月頃から痛みを感じるようになりました。
痛みを10段階で表現するとどの段階ですか、とよく病院で言われるのですが、初めの頃は「2」「3」程度のものが段々痛くなっていきます。
僕の場合、朝食後は大丈夫なのですが昼食・夕食後に強く痛みが出ます。そして、夜は痛くて寝られません。最終的に「7」程度痛かったと思っています。
痛み対策として一般的なのは、アセトアミノフェンやロキソプロフェンナトリウム水和物が含まれた、誰もが聞いたことがあるような薬ですが、飲んでも全く効果無し。
そこで麻薬的痛み止めを始めました。最初は比較的弱い痛み止めから始めて、数を飲めばある程度耐えられていました。
しかし、あるとき全く効かず非常に強い痛みが出ました。ほんと救急車を呼ぼうかと思った。
そのときは一晩耐えて、翌日に強い麻薬的痛み止めに変えてもらいました。現在も飲んでいますがモルヒネの成分が入っている薬(持続性がん疼痛治療薬)です。
あと、レスキュー(突発的な痛みに対応する)用に、別のモルヒネ系の薬も処方してもらっています。
持続性がん疼痛治療薬は一度飲むと8時間ぐらい効く、痛み止めのベースと呼ばれる薬です。5mgから始めて今は20mgです。
様子を見て徐々に増やしていくのですが、5mg増やすだけで1、2日は気持ち悪さが凄いです。
効いているのかは・・・痛いし、夜は寝られないしで、自分でも感じにくいですね。
あと、この頃かな?CT検査で陽子線治療の副作用として脳壊死していることが分かりました。
脳壊死は広がってきているものの、幸いなことに場所が右側前頭部。ここはあまり使っていないエリアらしく影響は無い状況です。(今後は分からないけど)
これがもし左側の脳壊死だと言語障がいでしゃべれない、手が震えるみたいなことが起こっていたそう。助かった。
死ぬまでの時間にそこまで悪くならないと思うので一旦保留にしています。
治療⑦_抗がん剤治療(錠剤の抗がん剤)
ネダプラチンが効かなくなり、もう抗がん剤はやらないという選択肢もありましたが、抗がん剤をしないことで家族に与える不安(もう死ぬしかない)を考えると、使える抗がん剤はすべてやることにしました。最後に残ったのは、腺様嚢胞がんにはほぼエビデンスが無い錠剤の抗がん剤です。
※ネダプラチンも、腺様嚢胞がんにはエビデンスは全くないとのことだったけど。
僕がやっている抗がん剤は新しい薬ではなく、どれもこれも比較的昔からある物でした。
今回から始めた錠剤の抗がん剤も約20年前からある薬。副作用は少なく、70代の人にもよく処方されるとのこと。
2022年8月~9月で2週間飲み続けて1週間休むというのを2セットやりましたが、効かないので止めました。
この頃から肺に溜まった水により呼吸が苦しい状態が続いたからです。
ネダプラチンにせよ、錠剤の抗がん剤にせよ、腺様嚢胞がんでエビデンスを残すという仕事は熟したと思っています。希少がんだから基本的に全ての治療が治験みたいなものなんです。
最後に、抗がん剤について。抗がん剤は必ず効かなくなります。効いている間に寛解(かんかい)すればいいけど、しなければ「延命治療」なんだという理解が必要だと感じました。
1つの抗がん剤がそもそも効く・効かないもあるし、効いたとして3か月効けば良い方、というのはよくある話みたい。
つらい抗がん剤で体力を失うのか、やらないで体力を温存してがんと闘うのかという選択シーンが必ずあります。
でも、医者は抗がん剤を延命治療とは言わないんですよね。初めの頃はもっと生きられるって思ってたなー。
緩和ケア_胸水の排水
肺に水が溜まったらどうするか?肺に限らずですが、水を抜きます。ちなみに水とは、血ではなくリンパ液みたいなもの。僕の場合、胸膜と肺の隙間に水がどんどん溜まっていって、肺を押し縮めていく。そして呼吸が苦しくなっていく感じです。
元々の背中の痛みに放射線を当てることで痛い部分を焼き切って多少楽にするという緩和ケアを2022年9月20日からやっていたのだけれども、ちょうどこのときに呼吸が非常に苦しくなって起きていられなくなりました。
当日はなんとか耐えて、翌日、元々5分程度の放射線治療を行う予定だった病院へ行くと、状態が悪く、急遽入院し肺の水を抜くことにしました。
注射針を刺して水を抜く、というやり方もあるのですが呼吸が苦しいことが今後の余命に大きく影響することから、肺にドレーンチューブを入れて水を抜き、肺と胸膜が癒着するような薬を後から入れる処理をすることにしました。上手く癒着すれば水が溜まる隙間が無くなり、水が溜まりにくくなります。
入院して即処置室に連れていかれ、特に説明も無くエイヤアと局部麻酔で右脇にメスを入れられて小指くらいのドレーンチューブを挿入しました。意識があるから体の中をゴリゴリされる感じが堪らない・・・。
大体、4日程度で5リットルぐらいの水が抜けました。
1日の排水が200mlぐらいなら良かったのですが、400mlぐらい出ちゃう。次から次に水が溜まるんですね・・・。
諦めて癒着剤を入れました。
現在でもちょっと動くとすぐに息切れしてしまいますが、水を抜く前に比べて段違いに楽になりました。
あと、水が無くなったことで刺激が少なくなったのか胸の痛みが劇的に減りました。(といっても痛みはあるので、痛み止めは増えていく一方なのですが)
経験ある人は少ないと思うけど、点滴1本腕にあるだけで凄まじく動きを阻害されるのだけれども、ドレーンチューブ1本入っているのは点滴の比では無いくらい動きを阻害されます。しょうがないけどね、やるときは我慢だね。
緩和ケア_最後の
治療⑦の錠剤の抗がん剤が終わった時点でやるべき抗がん剤が無くなったため、僕に残されているのはどう死ぬのかという選択肢。
寝たきりになると自分でトイレに行けず家族に迷惑を掛けるのは必至。
ずっと家に居て徐々に死んでいく姿を子どもに見せるのも酷かな、と思って、寝たきりになったら病院で過ごそうと思っています。
今時点調整中なのだけれども、通院しているA病院は緩和ケアでの入院は大体2週間と決まっていて、痛みさえコントロール出来てしまえば自宅での在宅医療となってしまう。
A病院の近くにC病院という別の病院があって、そっちは1ヵ月単位で入院出来て延長もできるそう。ということで、C病院への紹介状をお願いしています。
A病院の今までの医者に状態を見てもらいつつ、痛みのコントロールの相談はC病院にお願いして、そのときが来たら入院する予定でいます。
ちなみに、緩和ケアで入院するためにはソーシャルワーカーさんに調整してもらって、事前に入院する病院で面接しないといけないらしい。
お葬式とかお墓は今絶賛調整中。墓は本当にメンドイ。
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