聞かせて!あなたの体験談 闘病記や保険にまつわる話、健康や子育ての体験談を掲載しています。 聞かせて!あなたの体験談 闘病記や保険にまつわる話、健康や子育ての体験談を掲載しています。

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治療②_抗がん剤治療
(シスプラチン+ドセタキセル)

【2020年1月~5月】

初回の抗がん剤は、シスプラチン(プラチナ製剤)+ドセタキセルのカクテル剤。
1週間入院して2週間空ける、を6セット。

  • 1週間入院するけど、抗がん剤を入れるのは初日だけ。シスプラチンという薬が、肝臓にダメージを与えるため6回まで。
    残りの入院は生理食塩水をずーっと点滴して、肝臓を洗う作業をする。トイレに行く毎にどれぐらいの量の尿が出たか確認。
  • 主な副作用は、気持ち悪さ、倦怠感、味覚異常。味覚異常については、水も不味い感じ。ただ、そもそも放射線治療の影響で味覚が無かった。
    倦怠感は1週間の入院のうち、3・4日目ぐらいの2日間程度現れた。倦怠感は非常につらく、基本的に何も考えられないのに嫌な考えばかり思い浮かぶ。
    副作用は、回数を重ねると段々つらくなってくる。途中からは、発熱し追加入院もした。
  • この入院は有休だけで乗り切った。放射線治療と併せて大分有休が無くなった。

それなりにシンドイ治療だったものの、腺様嚢胞がんの割に効果がみられた。(肺気腫がだいぶ縮んだ)

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治療③_抗がん剤治療
(ドセタキセル)

【2020年5月~2021年10月】

シスプラチン+ドセタキセルに効果があったので、ドセタキセル単独での投与を続けた。
通院で点滴したら、3週間空ける。回数制限は無く、効果が無くなるまでエンドレスで実施。

  • 通院で実施出来るけど、ドセタキセルはアルコールに溶かして点滴するので自分で運転して通院は出来ず。
  • 主な副作用は、気持ち悪さ、味覚異常、発熱。気持ち悪さは大体1週間ぐらいで収まるけど、油物は食べたくなくて、水も不味い、しょっぱいまたはヌルっとした感じ。
    ちなみに、最後まで残る味覚は甘み。
    点滴後3日目〜5日目くらいに発熱。予防で抗生物質を飲むけど、それほど効果なかったかも。
  • ドセタキセルは3週間毎なのだけれども、副作用がつらくて途中から4週間毎に変更。
  • 2か月ごとにCTを取って経過観察。
  • 抗がん剤を繰り返すと、血管が細く硬くなり点滴の針が入りにくくなる。
  • 抗がん剤の投薬は月1回ぐらいと、2週間後の経過確認の通院のみなので時間代休で通院。

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治療④_抗がん剤治療

【2021年10月~2022年2月】

2021年10月頃のCTでドセタキセルが効かなくなった。(がんが大きくなってきた)
それまで、抗がん剤が効かなくなる、という事を考えてなかったのだけれども、抗がん剤は必ず効かなくなる。
※効いている間に治ってしまえば良いのだけれども。
抗がん剤が効かなくなっても、次の選択肢(別の抗がん剤)があるけれど治療を続ければ体力も失うし、時間も失う。
抗がん剤治療とは毒を持って毒を制する治療なので、やればやるだけ体力を失うモノと実感した。
と、ゆーことで、抗がん剤が効かなくなった場合について医者と会話したところ、余命1年ぐらい。
がんを宣告された時より、気分が落ち込む。正直、腺様嚢胞がんは進行が遅いって話なので何もしなくても10年ぐらい
生きられるのかと勘違いしていた。自然と涙が溢れるのも2週間ぐらい経つと気持ちが落ち着く。
つらい気持ちは、時間が解決してくれることが多い。

次の選択肢の中で選んだのが新しいタイプの抗がん剤。
がん細胞が持っている体の免疫細胞に攻撃されにくい特性を打ち消して、体の免疫細胞が有利に戦えるようになるための薬で、以下の点を考慮して選択した。

  • 個人差があるがメリットが出やすい。
    • 2割:がんが縮む効果がある
    • 3割:がんの症状の進行を抑え維持することができる
    • 3割:(なぜか)次に実施する抗がん剤に良い影響がある
    • 2割:効果が無い
  • 色んながんに効く。
  • 2週間に1回。
  • 副作用によりちょっと発熱するけど、気持ち悪さや、味覚異常とかが無い!
  • ドセタキセルと違ってアルコールに溶かしていないので、自分で運転して通院できる。

  • 高額医療申請をしないと、後で返ってくるにしても異常なほどに高い薬価。
    1回の投与で200ml投薬すると、諸々で40万円ぐらい。その3割負担だから、高額医療の上限までいっちゃう。大体みんな8万円。
    さすがに毎月8万円はキツイ。しかも、通院は1回なのでがん保険で賄えるのは1万円ぐらい。
    健康保険組合では付加給付金で26,000円以上は返ってくるので助かったけど、高額すぎて選択肢としては厳しい薬。
    もし幸いなことに効果があれば10年ぐらい効くこともあるらしい。40万円×2回/月(24回/年)×10年=9,600万円かぁ、保険ありがとう。

新しいタイプの抗がん剤は、効果があるか無いか2か月ごとにCTで見ながら2021年10月~2022年2月までやったけど、残念ながら効果無し。

2022年2月頃から、肺に水が溜まり始めました。
この時点で余命半年ってことになるんだけど、がんで痛いとか苦しいは何もない。ただひたすらに「治療」がつらい。

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治療⑤_抗がん剤治療(治験)

新しいタイプの抗がん剤に効果が無かったので次はどうする?という問題が出てきます。
ちなみに、担当の医師としては、体力がなければ新しいタイプの抗がん剤の後は緩和ケア(痛み対応)で治療はせず、体力温存する選択を勧める場合もあるそう。
僕の場合は、体力があったこと、治療初期に行った遺伝子検査でGPC3という遺伝子ががんに発現していることが分かっており、GPC3が発現している人だけが受けられる治験を選択しました。

※新しいタイプの抗がん剤と同じような考え方で、がん細胞のGPC3と免疫細胞を治験薬が両手で捕まえて無理やり戦わせるようなコンセプトの薬。がんの近くに免疫細胞が少なかった、という理由で新しいタイプの抗がん剤が効かなかった人には効果があるかも。

治験と言うと、よくテレビなどで言葉自体は聞くと思います。
治験には、段階があります。

  • 1段階目
    どの程度まで薬を投与するとどんな副作用が出るのか調べる。
  • 2段階目
    副作用が耐えられるレベルの投薬での治験をしてみて薬効が期待できるか調べる。
  • 3段階目
    幅広く投与して薬効を確認。

今回の治験は1段階目でした。週1回投与の4セット。そして治験中は入院。1か月の入院です。
さすがに、年休の残りが厳しいので届出欠勤しました。
休み中は給与は出ないのですが、健康保険組合から傷病手当として給与の3分の2のお金が受け取れます。

  • 副作用について。この治験は、1段階目と言っても「1段階目中のX回目」という感じで、僕は1段階目中の5回目だったかな?僕の前に1~4回目を受けた先人がいます。
    そのため、サイトカイン症候群という強い発熱が発生する可能性が高いことが事前に分かっており、予防としてステロイドを飲みました。
  • ちょっと知っていてほしいのは、ステロイドって薬は、体が非常に元気に動くようになる薬です。炎症も抑えるし、食欲も出る。日常的に飲んでると色々な副作用もありますが・・・。
    この治験では、発熱の他にも当然副作用があって、僕が特につらかったのは関節痛です。関節が痛いのに体が動いてしまう。
    少しでも運動しようと散歩した結果、薬で誤魔化しているだけの体はステロイドが切れた瞬間に4日間ぐらい動かなくなりました。
  • がんセンターの入院の経験は長いですが、治験中は今までになく手厚く様子を見てくれます。ちょっとでも変なことがあればいくらでも追加検査をします。
    24時間、酸素吸入や心電図を取られたり、非常に不自由ですね。
  • 治験の場合でも差額ベッド代や食事代等は患者持ちでした。

そして、治験に効果があったかと言うと、残念ながらありませんでした。
最新医療だからといって必ずしも効くわけでは無いのですね・・・。

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治療⑥_抗がん剤治療
(プラチナ製剤_ネダプラチン)

【2022年5月~7月】

基本的に既に効く可能性のある薬は無く、保険が適用できる治療(抗がん剤)の中での選択をしています。

※自由診療(公的医療保険制度適用外の診療)は一度も検討せず。

取り得る選択肢は、2つ。その中でまずは初めの抗がん剤で効果のあったプラチナ製剤_シスプラチンと類似のプラチナ製剤_ネダプラチンを投与してみることにしました。

プラチナ製剤_ネダプラチンは、副作用がキツイもののシスプラチンよりはつらくなく、ドセタキセルよりはつらい。というレベルの物だそうです。

2022年5月~7月で3回やりましたが、結果は効果無し・・・。

  • 副作用には、しゃっくり、倦怠感、気持ち悪さ、便秘があります。
    まだ体が元気だったころと、既に弱ってきている状態では、抗がん剤の副作用の感じ方も大分違います。
    正直言って、プラチナ製剤_ネダプラチンの副作用に耐えるのはキツかった。倦怠感で何も考えることが出来ないのに悲しい感情だけが押し寄せてくる。
    吐き気止めの薬が腸の動きを止めるため、全く腸が動く気がしないレベルの便秘に。

    ※ちなみに、便秘は下剤を飲むしかないのですが、下剤にはウンチに水分を与えて柔らかくして出しやすくするタイプと、腸を動かして出す2種類があります。
    便秘が続くと痛み止めが効きにくくなったりと良いことは無いので、どうにか出すようにしましょう。

  • 痛みが良くならない。
  • 免疫が落ちて帯状疱疹になる。ただ、ピリピリする症状が帯状疱疹に繋がることは前から医者から言われており、発疹が出た瞬間に帯状疱疹であると自分で判断出来た。

    ※CMでもやっていますが、水疱瘡(みずぼうそう)にかかったことがある人は、帯状疱疹の予防接種をすることをおすすめします。帯状疱疹になると結構シンドイもんですよ。

この抗がん剤(プラチナ製剤_ネダプラチン)は、僕には効果が感じられなかったこともあり、ただただ副作用がつらかった。無駄に体力を使うとはまさにこのこと。

※体験談の内容は、投稿いただいた体験者の実体験に基づくものです。また、掲載されている医学情報(製品およびこれに関連する疾患等の情報)は、体験談に基づく一般的な情報の提供を目的としています。
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